Talk:Hiromu Arakawa

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荒川弘 2004年9月22日掲載 荒川弘 2004年9月22日掲載 鋼の錬金術師 荒川弘/著 荒川弘

 “ハガレン”をご存じだろうか。放映中のテレビアニメが大人気の『鋼(はがね)の錬金術師』のことだ。超人的な錬金術を駆使する兄弟が主人公の、異世界ファンタジー。ファンは親しみをこめてハガレンと呼ぶ。  原作は、2001年から「少年ガンガン」に連載されているコミック。単行本は現在第8巻まで刊行され、累計1200万部。続刊を待ちこがれるファンは巻を追うごとに増えている。ベテランの手になる作品かと思いきや、作者の荒川弘さんは連載開始時点でデビュー2年目、これが初連載だったという。コミック史に残るだろうゴールデン・ヒット作を生んだ、彼女の“錬金工程”とは? プロフィール 北海道生まれ。「STRAY DOG」が、「少年ガンガン」の第9回21世紀マンガ大賞にて大賞を受賞。1999年、「少年ガンガン」8月号にて同作品が掲載されデビューを飾る。 2001年、「少年ガンガン」8月号より「鋼の錬金術師」の連載が開始。同作が2003年10月よりMBS・TBS系全国ネットで連続テレビアニメ化される。『鋼の錬金術師』は、2004年、第49回(平成15年度)小学館漫画賞少年向け部門を受賞。さらに、2005年夏には映画版が公開される予定。。

荒川弘/著


――初連載がいきなり爆発的大ヒット。新人作家が連載を持つにいたった経緯は?


「最初は、読み切り作品の予定だったんです。でも、絵コンテを担当編集者に送ったら“これは連載にしましょう”と。一話完結のストーリーなのに“どうすりゃいいのよ!?”(笑)。半月くらい転げ回って、連載にするための構想を考えました」



――それから4年目の今、次々に現れる人物が複雑に絡み合い、物語世界はどんどん広がっています。


「連載を開始するにあたって、まず考えたのが最終回の大体の構想。テーマはすでにあったから、結末が決まれば、あとはそこにいたるまでに何が必要かを考えればいい。その部分は、連載しながら進めていきました。今、最終話までのエピソードは用意できています。ただ、物語が進むにつれて主人公が成長している。だから、それぞれのエピソードに来た段階で、彼らがどんなリアクションをするのか、それは私にもまだわかりません」



――最初の段階ですでに決まっていたテーマとは?


「何かを欲するならば、それと同等の価値のものを差し出さなければならない、ということ。作品の中では『等価交換』と言っています。錬金術についての本を何冊か読んでいたら、この言葉に出会った。これはいけそうだな、と思いました。ネタが“降りてきた”瞬間です」



――琴線に触れたわけですね。もしや等価交換の法則を、それまでの人生で実感していた?


「それはあるかも(笑)! 実家が北海道の酪農家なんです。農家の仕事って、やればやるだけ返ってくるし、さぼればその分、最後に苦労する。ウチの先祖は開拓民として北海道に渡ったんですが、当時の話を伝え聞いても、等価交換、まったくその通りで」



――ハガレンの源は酪農だった、と。


「“働かざる者、食うべからず”がウチの家訓ですから(笑)。でも実際、過去の悲しいことやいやなことが“ああ、今の自分にプラスになっているな”と思えることってありますよね。どんなことでも、時間をおいて振り返ると、ちゃんと糧になっている。そういうことは、ずっと感じていました」


 ハガレン世界における錬金術の掟、それが等価交換だ。主人公エドワード(=エド)と弟のアルフォンス(=アル)は、亡くなった母をよみがえらせようと、禁断の人体錬成を試みる。だがそれは不完全なものに終わった上、大きな代償を払うことになる。エドは左足、アルは肉体そのものを失ってしまった。そしてエドは自分の右腕を代償にアルの魂を練成し、鎧に定着させた。すべてを取り戻すすべを見つけるべく、二人は旅路につく。戻るべき家を、自ら焼き払って……。



――やむにやまれぬ理由があるにしても、放浪の旅というのは、読者の子どもたちにとってはあこがれだと思います。荒川さん自身も子どものころ、放浪願望があった?


「放浪というか、“あっちへずっと歩いて行ったら、どうなっているんだろう”なんていうのはありました。農地の中に、山がありますよね……って、あるんですよ山が(笑)。で、“これをこえたら、海が見えるかな”と思って、登ってみたらまた山で、ちくしょー、みたいな(笑)。今も、もし車を与えられたら、どっか行っちゃうと思う。日本の端から端まで、地続きのところは全部行っちゃうだろうなあ。でもそういうことは、自分の家がちゃんとあるから、安心してできるんだと思う」



――エドとアルは、戻れる場所を自分から消してしまいます。


「でもね、『オレたちに帰るところはない』と言ってますけど、実際には故郷に帰れば迎えてくれる人がいる。本人たちは気づいていないだろうけど、周りの人たちが支えてくれていて、だから彼らも頑張れるんですよね」



――そうした救いを用意したのは、描いていて作者がつらくならないように?


「いえ(キッパリ)! 私はね、世の中はそんなにひどいことばかりではない、と思うんですよ。テレビなんかの報道を見ると、孤独感を持つ子どもが最近多いみたいだけど。でも、大人は子どものことを無視しているわけじゃなくて、見るところはちゃんと見てる。うん、大人はちゃんと見てますよ」



――それも、これまでの人生経験から?


「農村で育ったから、大人がいつも身近にいたんです。学校帰りに農道を歩いていると、どっかに必ず農作業してる大人がいて、声をかけてくれる。働く大人が常にそばにいて、子どもたちはそれを見て育つ。忙しい時期には子どもも農作業にかり出されて、文句言いながら手伝って。そういう土地柄だったので、“大人はちゃんと見ていてくれるな”という実感は、小さいころからありました」


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本作の特徴のひとつは、悲惨なエピソードを重ねる中で、生きることを力強く肯定していること。時に絶望的なシーンがありながらも、決して読者を追い込むことがない。



――シリアスなシーンが続いても、必ずどこかに爆笑ギャグが挿入されますね。


「息づまる展開ばかりだと、読んでいて苦しくなってくるでしょうから。エンターテインメントだから、やっぱり楽しく読んでもらいたいんですよ。自分が子どものころに読んだ漫画を思い返すと、楽しく読めたものと、そうでなかったものがある。私は精神的にドロドロした漫画って、読んでいるとキツくなって楽しめなかった。だから自分が描くときは、子どもの時に何が面白かったか、というのを思い出すようにしています」



――どんな漫画を読んでいたんですか。


「何でもアリでしたね。姉が『少年ジャンプ』と『週刊マーガレット』を読んでいて(笑)、さらにいとこがたくさんいるので、あらゆるジャンルの漫画がそのへんに転がっていた。特に肌に合ったのは、『少年ジャンプ』と『少年サンデー』かな」



――漫画家になろうと思ったのは、いつごろですか。


「小さいころから、漫画なり絵なりで食べていけたらいいなあ、と思っていた。学生時代は、いわゆる“教科書の落書き”レベルだったんですが、卒業後は実家の農業を手伝いながら油絵を習ったり、歴史好きの友だちと『三国志』の同人誌を作ったり。ライターをしている友人に誘われて、競馬雑誌に4コマ漫画を描いたりもしました。でも、本格的なストーリー漫画を描いたのは、デビュー作になった投稿作品が初めてです」


 初めて描いた漫画「STRAY DOG」で「ありがたいことに賞をいただいて」、 99年に「少年ガンガン」からデビュー。担当編集者によると「個性的な上に、とにかく完成度が高かった」。デビュー作に通じるところがあるというハガレンも、独特の世界観が卓越した画力と相まって、読者をぐんぐん引き込んでいく。



――小説などとは違う漫画の面白さに“絵で見せる”というのがあります。ハガレンでは、背景にさりげなく描き込まれたものが、物語の伏線になっていたりする。


「ふふふ……。そういうものを仕込む楽しみって、ありますね。後のエピソードで、それがきれいにつながると気持ちいい。伏線に気づいてもらえなくても支障はないんですが、たとえば2回目に読んだ時“あ、これは”って思ってもらえたら“してやったり!”。逆に、自分で1巻から読み返して“あ、これ伏線に使えるじゃない”と思うこともあって。そういう時は、過去の自分をほめたいですね(笑)」



――もうひとつ、“誰も見たことのない世界を見せる”楽しみもあるのでは。作中、エドが“真理”をかいま見るシーンがあります。でも真理なんて、実際には誰もビジュアルとして見ることはできない。


「そうなんですよ~。絵コンテの段階で“こんな感じか?”って、自分なりのイメージをモヤモヤした絵で描いたんですが、いざ作画に入ると“どうしよう、どうしよう、どうしよう”……。締切の日まで、そのページだけ残したまま考え込んでいましたね」



――しかもあのシーン、まだ続きがありそうな気配が。


「ふふふ、どうなるんでしょうね……」


 テレビアニメは10月2日に最終回を迎えるが、コミックのほうは「そろそろ折り返し地点かな、という段階」だそうだ。今後展開するエピソードの伏線も、絵の中にちりばめてあるという。どうやらハガレンは、まだまだ錬成途上。いったいどこまで輝きを増していくのか、まぶしさに眩みながらも目が離せない。 (萩原まゆみ)

Original Japanese interview dated back 2004. Kasaalan 16:15, 12 January 2010 (UTC)